2017年5月31日水曜日

アーティチョークに似た花と獅子文六

朝は、花の話しをしてから、出かける。

きんかんについていた虫、
さなぎになる前に、ひよどりに喰われてしまったよ、とか
今年は、あじさいが見事だこと、とか
枯木に水をやっていたら、新芽が出たけれど、なんの木かしら、とか
花をそだてるのがじょうずなひとと、
マンションのぐるりを歩きながら、花の話し。
まだか、まだか、と待ちわびていた、
アーティチョークに似た花が、開花していた。
大きめのあざみみたいだったのに
毎年確実に、たくましくなっている。


「この本を読むと、なぜかあなたを思いだすわ」
と、駄菓子屋さんに言われ、年季の入った文庫本をもらった。
その本の作家は明治生まれで、私が生まれる前に亡くなっている。
もらった本がおもしろくて、また、ニクい本屋さんで手に取った
その作家のべつの本も、とてもおもしろかった。
さらに、著者近影の写真にひとめぼれした旨、
ニクい本屋さんに打ちあけたら
そのうちの1冊が、ドラマ化されることを、教えてくれた。

ドラマ化されるのは、私小説のようなものなので、
主演俳優が気になるなぁ、と思っていたら
ニクい本屋さんから、続報が入った。

・・・悪くはない、かもしれないけれど、できたら
小林薫あたりが、よかったかな(小声)

2017年5月30日火曜日

第1回 はま太郎フェス

いつからか、夏といえば、フェス。
思い返してみると、
これまでに、数えるほどしか、フェスに行ったことがない。
ひとつは、大昔のジャズフェス。
山中なのに、乙女心から、白タイツにミニワンピース。
蚊にくわれて、血染めのタイツになってしまったことよ。

もうひとつは、
ライターや作家などが、いきなり街なかで原稿を書く、というもの。
書いては丸めて投げ、それをファンがひろう、という
傍から見れば、不審でしかないイベント。

ただ、
暑いから、それ以来、フェスは敬遠している。

千秋楽の前日、ニクい本屋さんが教えてくれたイベントの、
そのタイトルに、胸を貫かれた。
本屋さんを出るなり、申込みをしたのは
言うまでもない。
千秋楽は、うっかり遠出してしまった。

夕方両国に着いて、信号を待っていたら、
不意に白鵬があらわれて、そして小さくなっていった。

その後ろすがたに、まわりの方々と「おめでとう」と声をかけて
しょんぼり帰宅。
オープンカーから降りた白鵬と、歩道橋から下りたとたんに
偶然握手するかたちになったことも、あったなぁ。

2017年5月26日金曜日

たくわんばあちゃん

酔ったいきおいで漬けた大根を発見した。

酔ったいきおいでつくったものは
だいたいにおいて、しょっぱい。
しかも、おかずとして、弁当箱に隙間なく入れてある。
ああ、今日の昼も、記憶なし弁当か。

こんな朝は、唄うしかない。
なぞの美人歌手の唄う「両国のひと」
もしくは、気分を変えて
「R.Y.O.G.O.K.U」
唄って踊って、塩分が不足したからだには、
ちょうどよいのかもよ。
たくわんばあちゃんは、いつもやさしい。

2017年5月25日木曜日

ラブレターとメールは21時まで

めずらしいもの、初めて食べたもの、
おいしかったもの。

なにがあっても、食べものの写真は撮らない派を貫いてきたのに
たまに、おもわずパチリしてしまうことが、ある。

全裸、ではなく
ぜんな。
稚はまぐりなんだって。
「ぜんな、一丁!」

「全裸、一丁!」
に聞こえて、板さんと、にやり。
そして、あじの丸干し。
美人女将が、こっそり焼いて
こっそりわけてくれた。


ともに、とてもおいしくて、
禁断のメールを、23時近くに友だちに送信。

酔っぱらってメールを送信するのは
夜、ラブレターを書くのと同じであるので
いつ、いかなるときも自分に禁じていたのに。
翌日、優雅に朝風呂をキメたあとに
ふかく反省。

この友だちには、他に言いたいことがあった。
御嶽海、金星とったね!
とか
玉ねぎ掘り、楽しみだね!
とか
新居の進捗状況は、どう?
とか。
それにしても今場所は、
どうなるのか。
優勝パレードの時間まで、飲まずに待つことができるのか。

2017年5月22日月曜日

まずは、タニマチ

先週までは、どこへ行っても
神輿の話でもちきりであった。
 なにを食べていても
 なにを飲んでいても
そばをすすっていても
神輿の話で、もちきりであった。
みなさん
忘れてはいないだろうか。
いま、大相撲夏場所が開催中ですよ。



かくいう私も、女神輿の元締めにさそわれて
三社祭の見物に出かけた。

ひたすらビールをあおってはおでんをつつき
全然違う行先のバスに乗って
よろめきながら帰宅。

来年こそは担いでね、と言われて
「あたぼうよ!」と即答したが
ほんとうは、ダボシャツがほしいだけ。
来年、ついに誂えようかしらん。
そのまえに、早くりっぱなタニマチにならねば。

2017年5月17日水曜日

おだやかでない

辛いもの仲間と、辛いものを食べてわかれた帰りの電車にて、
大声でなにかをさけんでいる、おじいさんが隣にいた。

日暮里でドアが開くと
「日暮里なんて字、読めねえんだよ!」
鶯谷に着くと
「鶯谷もよく来たよ!ケンカも、よくしたなぁ」
上野に着くころには
「上野でみんな降りちまうんだろ!」

気付けば、終電間際だというのに、その車両には
私とそのおじいさん以外に、人がいなかった。

合間に「グビリ」と喉を鳴らす音が聞こえたので
お酒を飲んで酔っぱらっているのだな、と思ったら、


おじいさんがうまそうに飲んでいたそれは、
ヤクルトであった。


辛いもの仲間に報告すると
「ヤク中だな」
と、ひとこと、返ってきた。
山田くん
座布団全部、取ってしまいなさい!

2017年5月16日火曜日

中年の病気じまん

しこたま飲んできたのに
家でまた一杯。
先日、おさななじみから、借金のカタに(うそ)頂戴した
どぶろく専用の湯呑みを使いたいがために、
または
一日をしめくくるために、
ひとまず、一杯。

こんな毎日を送っていては
からだによいわけが、ない。



発作は、定期的にやってくる。

スパゲッティハンバーグ食べたい病と
やきそばサラダ食べたい病。

この病を治癒させるには
「ぺろりレストラン」へ行くしかない。

万人にうける味かどうかは、甚だ疑問であるが
ここで食べると、しばらくは発作がおさまります。


つぎにやってくるのが
「お蕎麦食べたい病」
やっかいなことに、この病は
「土俵そば」店内でいただく、安価なお蕎麦だけでなく
はなれでいただく、ちょっといいお蕎麦まで
多岐にわたること。

さらに焼き海苔や板わさ、そばみそなど
お蕎麦にたどりつくまでの花道を彩るメンバーが、
いやがおうにも、熱燗をさそう。

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